チームコーチングプロジェクト
先日はとある高校へ行ってチームレッスンをさせていただきました。
コロナ禍、冬休み前、入試前…とこのタイミングを逃したらしばらく叶わなかっただろうレッスンです。
ちなみに直前まで予定が埋まっていたのですが、たまたまリスケに遭い、空いたところでお伺いできました。
#リスケって言葉そのとき覚えました
■訳ありチームのレッスン
これはコーチングの話ですが、チームレッスンはプライベートレッスンと求められることがまた違って、プライベートレッスンでは選手とコーチ1対1のやり取りの中で選手のスケールを大きくしていくのが目的の「天井突き」をしますが、チームレッスンでは「ここまでできるチームになろう」という『底上げ』が1番の目的になります。
なので正直、同じ高校野球でもトップレベルのチームへのレッスンに対してチームレッスンをおこなう時は、「全体指導」はあまり効果がないと思ってます。トップレベルのチームを対象におこなうときは、その中から「各個人」へアプローチしていったり、いわゆる「サブ組」のようなこれから伸ばしたい選手たちを別個でコーチングする感じです。
で今回のチームはというと、一昨年までは人数不足で単独チームにあらず、去年単独チームで発足して0勝。まさに「底上げ」が必要なチームです。
初心者もたくさんいます。
「そこまでして単独チームにこだわる理由ないじゃん」と思うかもしれないですが(学校で野球部の人数が足りなければ「連合チーム」という形で他の学校と組んで大会に参加することができます)さまざまな事情もあって、この学校の野球部は「単独で参加する」ことと「野球を続けていく」ことが重要なことが分かりました。
超熱い監督さんの話を聞いて、選手たちの表情を見て、私もものすごく胸が熱くなりました。
とことんやったりてぇ!!
■ 2日間守備だけ!
今回は2日間に分けて一気に「フィールディング基礎編」を網羅しました。めちゃめちゃハードだったと思います。
なにせ内容は「基礎」とはいえ、今までやったことのない練習や考えたことのない細かいところのオンパレードです。
#片手で捕球する時と両手で捕球する時の握り替えの違いを考えたことはありますか
でもそこは学びに飢えた高校生。素晴らしい集中力と吸収力で最後まで食らいついて練習を終えることができました。語弊があるかもしれないですが(彼らを称賛する意味であえて言うと)初心者やエリートじゃない彼らの「全部信じてやってみます」のエネルギーはすごい。俺がサッカー練習を指示しても真剣に野球のためと思って練習してくれそう…絶対そんなことしないけど、だからこそ責任持って意味のあることをコーチングし続けなきゃいけないけど、信じてもらわないとそこに効果は生まれないので、その瞬間に(偉そうかもしれないけど…)「これは期待できる」と思えました。
だからブログに書いて共有させてもらっています。高校生をYouTubeに出すわけにはいかないので、せめてこの彼らの活動と挑戦がみなさんに伝わればなと思っています。
#文字媒体最強
これから2回、3回と訪問を続けてどんどん習得レベルを上げていきたいと思っています。
彼らは毎回、レッスン内容を復習する「スキルテスト」に追われるので学校の試験がひとつ増えたように大変かもしれないですが、必ずやってくれると信じてコーチングしていきたいと思います。
彼らの応援と、このプロジェクトの成功ないし挑戦の様子を共有することで少しでも同じような状況のチームが勇気づけられる願いを込めて、今後も発信していきたいと思います。
YouTube▶︎https://youtube.com/channel/UC3kKOQicDAIeE9TrWJBWfBg
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甲子園を倒す
私には野球コーチとしての夢があります。
それは「甲子園に勝つ」ことです。
エビバリィセイ…
ハアッ?
そんなわけで今日はちょっと未来の夢の話をしましょう。
■アメリカで見えた野球の景色
私は大卒3年目のときに高校教師を辞めて野球コーチとして食っていくことを決めました。
そこでまず自分のコーチング力を磨こうと思い、行動に移したのが「アメリカ野球研修」でした。
#人生の転機
いろんな人に支えていただきながら単身でアメリカ・ニュージャージー州へ行き、High Heat Baseball 新谷伸明コーチにお世話になりました。
#クソお世話になりましたドドン
毎日刺激的な日々でした。
日本と大きく違う、アメリカの野球少年たちのスタンダードな「プライベートレッスン」という空間や練習の仕方、球場の雰囲気、チームの在り方、コーチの在り方…。それぞれを話し出したら長くなるのでまた分けてお話したいと思いますが、いろんなところが日本のそれとは違っていて、とてもタイムリーに日本の野球界の問題との対比になって見えました。
それがひとつ前述した夢の「甲子園に勝つ」につながるんですが…
■大会のためにつくるのがチーム
先にアメリカの野球事情を説明すると、基本的にアメリカには日本の甲子園のように「全米大会」とかの規模でおこなう大会はありません。
そういう大会が無いもんだから「チーム」というものも違ってアメリカでは基本的に「大会に参加するためにチームを作る」のが一般的です。
日本は、と言えばチームが先にあって「じゃあ来月の大会に向けてまた頑張るか」とか「チームの目標としてあの大会で全国に行こう!」とかになってくると思うんです。チームが先で大会が後。
アメリカはコーチやアカデミー(グラブみたいなもの)が外部に向けて「来週のトーナメントに参加するので参加希望者カモーンヌ!」と募集をかけてセレクションをしてチームを作ります。そして大会に参加して大会終了と同時に解散。
これ、何が良いかと言うと「選手が選び放題」なんです。
何が選び放題かと言うと、まず出場する大会を選べます。
結構大会によって細かいルールが違ったり、レベルが違います。レベルの高い大会には例えば有名大学やメジャーリーグ関係のスカウトが目を光らせてやってきます。逆にレベルの高くない大会なら初心者でも安心して参加できます。
自分の今のレベルや目指す方向によって出場したい大会を選手ひとりひとりで選ぶことができます。
次に選び放題なのが「チーム」ですね。ここには「コーチ(育成)」や「チームメイト(コミュニティ)」があります。
どういう環境で野球がやりたいかの選択肢は常に選手にあるんですね。最近では日本でも「プレイヤーファースト(プレイヤーを第一に考えて大切にしよう)」なる教えが浸透してきましたがアメリカではシステムから違うんです。だからそのコーチングが生まれるんです。
コーチの立場から言えば、集まった選手たちに十分なコーチングができなければ次の募集で選手が集まらない=食いっぱぐれる可能性があるという危機感があります。だから野球が上手い・下手なんかで選手を優劣付けないんですね。
コーチングがとにかくめちゃくちゃ丁寧です。もう、むっちゃくちゃ丁寧です!
例えば「均等に出場機会を与える」と言ってもゲームになったらそうはいかない場合もあるじゃないですか。勝つことってやっぱりスポーツする上では大きなモチベーションになるわけで、大事な場面では勝利のために選手起用を判断することがあります。
そうすると、信頼できる選手に役がまわる一方で未熟な選手は機会を奪われてしまうわけですね。
#ワークバランスって難しい
そんな時にコーチはどうしているかというと、自分は下手で使われなかったって分かってる選手のところへ行って「次は同じ場面でお前を出すぞ」って言うんです。泣けます。それ、親の前で聞こえるように子どもに言うんです。親にコーチのそんな言葉聞かれたら10歳の男の目に火が灯るんですよ。やってやろうって。
コーチングスキル的には「アフターケア」っていうんですがそれがむちゃむちゃマメなんですよ。
それが「選手がコーチを選べるメリット」と「真のプレイヤーファースト」だと思います。コーチのプロ化(仕事としてコーチをする)の必要性ですね。
■甲子園に勝つ
大会のために参加する「単発チーム」って形は日本にはそう無いですね。いわゆる「通年チーム」で入団から卒団までずっとプレーするわけですが、私の理想はその「通年チーム」と「単発チーム」のハイブリッドです。
通年チーム(例えば部活とかもそう)に所属しながら、自分のニーズによっては「単発チーム」に個人的に参加して経験を積む。
その大会の価値が上がっていくことで「甲子園よりも価値を残す大会」を作りたい。
「甲子園よりも価値を残す」ってどういう意味かというと…その前に言っておきたいんだけど私、甲子園も高校野球も学生野球大好きなんです。
好きだからこそ、価値を残したい。
今高校野球は過渡期に来ていて、正直盛り上がる試合って一部なんですね。みんなが「甲子園すごい!」とか「高校野球ってやっぱり面白い!」って言ってくれるのってその一部の試合やストーリー(報道)なんです。
その裏にある多くの試合は、対戦するチームの間にレベル差が開きすぎて、野球と呼ぶには程遠いコールドゲーム(最後までいかずにタコ殴りでKOされるやつ)とかやってます。
各チームのレベル差がある中で同じ大会にかけられ、弱いチームは出場することに価値を見出してなんとか納得するんです。それで終わっちゃうんだから後味悪くして終わりたくないじゃない?…だから「納得」するんです。
これでいいのかっていう議論は昔からされているのに結局のところ「甲子園は盛り上がったしめでたしめでたし」で終わってる。
地方大会で事故並みの試合したチームのことなんて忘れて大会を終えるんです。
だから通年チームとは別に「単発チーム」や「個人参加」での大会を甲子園レベルの価値で開催して、全ての選手の花道にしたいと思ってます。
#やるぞ俺は
甲子園に勝る大会に出場価値を作って、少なくとも野球やって良かったって、全てのプレイヤーに思ってほしい。いや思わせてやる。
今やっているコーチング以上に私の目標としているのは「大会プランニング」なんです。全部そのための布石になったらいいなーなんて頭の中では考えています。
今日もお読みいただきありがとうございましたあぁぁ!
【YouTube】
日米の野球スキルのハイブリッド『タクトtv』野球スキル解説をしています。
ツイスト打法って教える意味ある?
ライブ配信で初めて「スパチャ」を貰った瞬間、嬉しさと戸惑いで顔を真っ赤にした配信者、タクトです。
今後も時間の空いた夜を使って定期的にライブ配信していきたいと思います。普段の動画配信では語りきれない部分について喋りますのでよろしくお願いします!
今のうちにチャンネル登録してほしいぃぃ!!
■野球のスキルと感覚
野球コーチをしていて一つ、自分で決めたことがあります。
そのマイルールとは「感覚の話は絶対にしない」です。
ちょうどライブ配信でも語ったところなので改めて言語化してえなと思いました。
まずこの「感覚」と「スキル」を分ける方法を明記しなければいけません。そこで私の中では「実際に起こりうる動作=スキル」で「実際の動作とは一致しないが教え=感覚」と位置付けました。
これで、「ツイスト打法」※スイング方向と逆に腰をひねるというアレです)が感覚かスキルかどちらに分類されるかが分かりました。あと現場でよく言う(野球をやっていると必ず耳にする)「肩を開くな(投げるとき)」や「最短距離で出せ(バッティング)」がどちらに分類されるかが分かりました。
こう言うとよく「やっぱり最短距離で振れ、みたいな指導は間違いだよね」という人がいますが、スキルの重要性とコーチング的な効果は別物と考えるべきです。
分類になぞらえて言えば「スキル的なコーチングが合う場合もあるし感覚的なコーチングが効果がある場合もある」ということです。
シンプルに野球の指導者としてチームの監督やコーチをされているのであれば、どちらにも振れるようにどちらの教え方も否定しないことをおすすめします。
とくに「感覚」。感覚は選手がスキルを習得する上で見逃すことのできない大事なフェーズ(局面)です。
選手が感覚でスキルを習得しようとしているときに「こういう感覚でやってみたら?」とアドバイスできたら良いですよね。
私は「野球スキルコーチ」という以上、感覚は教えませんーという話です。
※究極の野球スキルコーチを目指している私ですが、仮に究極の「野球感覚コーチ」がいるとすればそれが「プロ野球選手」です。
■それだけで割りきれない部分
ツイスト打法や最短距離は上記の分け方で「感覚」に分類することができました。(「それって実際にはそうなってないですよね?」でイチコロにできるからです)
でもそれだけではどうやら「グレーゾーン」があります。それが「実際になってるかもしれないけどそれ正しい動作?」というゾーンです。
例えば「スイングパス」と呼ばれるバットのスイングの通る軌道。昔は「上から叩け」という絶対原則がありましたが、今はスイング軌道が見直されてきて「ちょっと下からインパクトに入ってもいいよね」と言われています。坂本勇人選手も「下からすくう」って言ってます。
すると今度はその「下からすくう」が浸透してきました。果たしてスキルとしてはこの2021年、何が正解なんでしょう。
前述の「実際にそうなるかどうか?」で分けると「上から叩け」も結構多くの選手がそうなっている(直線とはいかなくともミートポイントまでバットの芯が上から到達している)し、逆に「下からすくう」を実践している選手はインパクトにかけてしっかり「下からすくって」います。じゃあどうちらも正解であとは選手が自由に取り組めばいいいのか?
そこで音を上げたら野球スキルコーチの名に恥じるのでこれが「感覚」なのか「スキル」なのか分類し、スキルとして何が正解で、何を選手に提供するべきかー私がはっきりさせなければいけません。考えてみるとどうやらこの世界には「不確実な言い伝え」があるようだということが分かりました。
ここ、面白いっす。
■自然な動作の中にもアンノーマルはある
これはつまり、『一般的にそう言われているからそうしているけど実際のところ正しいかどうか誰も知らない』ことがたくさんあるということです。
例えばバッティングにおいて日本は「バットを振る」という意識が強く、子どもたちは野球を初めてから来る日も来る日もバットを「振り」続けます。ですがアメリカではバッティングは「ヒッティング」。すなわち「バットで打ち込む」という意識が強く、基本的に練習ではボールを打ちます。
結果、日本球児は身体の前(投手側)でバットを「振り」、アメリカ野球少年は身体の近く(捕手側)でバットを「打ちつけ」ます。スイングバック(トップからインパクトまでのスイング)が大きくなるのもアメリカ人選手の特徴です。
バットを持った瞬間からバッティングの仕方に違いが出るのは、その環境や文化が作り上げたイメージが空くならず初心者に影響を与えるからだと思います。
ちょっと話がややこしくなりましたが、ようは前述した感覚とスキルの分類方法以外にも「その動作をしてるけどそれが正しいかどうか=最善の動作」を検証する必要がありそうです。これが第二の「感覚」と「スキル」の分類ポイントです。
すると上記の「バットは上から叩け」は実際にそうなっている選手もありながら「そのスイングパスが最善の動作か?」の観点からすると現代の野球ではツッコミまくられているわけで(スイングがどんな軌道がベストか…の点は割愛します)、これは「先人たちの『感覚』が具現化してしまった例」として「感覚認定」しても良いのではないかと結論付けました。
他にもティーアカデミーのメソッド的には「前膝を開くな」とか「肘から前に出して投げる」とかもここに分類します。
ということで感覚とスキルの分け方としては、『スキル=実際に起こす最善の動作』で『感覚=それ以外の教え』です。
野球スキルコーチとして本格的に始動したのが去年の8月ですが(2020年8月1日プライベートレッスン開始)そのときから私が受講生に一貫してコーチングする内容がこうして決まりました。
スキルコーチングとは…
『野球で必要な実際に起こすアクションの最適化』
です。これを私は「野球スキル」と呼んでいます。
で、、ぶっちゃけ野球という流動的かつ超反射的なスポーツにおいてスキルだけ身につけて上手く結果が出るほど甘くもないので、ここで「感覚」の出番にもなるわけです。
選手自身が背負うべき「感覚」の部分についてはまた次の機械に。ウィーン:ガシャガシャ//
次の機会ね。
お読みいただきありがとうございましたあぁ!!